2022.02.22
明治工芸作家紹介 I
七代錦光山宗兵衛 Kinkozan Soubee (1868-1927)
京薩摩を語る上で錦光山宗兵衛の存在を外すことはできません。
もともと錦光山は天保2年(1645)に初代鍵屋徳右衛門が京都粟田口で創業して以来、将軍家の御用品も制作していた老舗の窯元です。
六代目宗兵衛(1868-1927)は明治3年に薩摩焼の金襴手に習った独特な彩画法を開発して以来、欧米に向けた創意工夫を試みながら生産を続けました。その後、明治22年に七代目宗兵衛が家督を継いだ頃には、546坪の敷地に約30個の窯を持つほどにもなり、素地成形から絵付け、輸送、販売に至るまで全て自社で行うほどに成長しました。
才能豊かな窯元であり稀代の陶器商であった錦光山は、国内外の博覧会に数多く出品し、様々な賞を受賞することで、またたく間にその名を世界に広めていきました。
最も細密かつ絢爛豪華な焼き物を生み出し、その美しさで世界を魅了した錦光山宗兵衛は、まさしく京薩摩の生みの親とも言えるでしょう。
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【国内外における受賞歴】
明治4年/京都博覧会
明治10年/第一回内国勧業博覧会
明治12年/シドニー万国博覧会
明治16年/アムステルダム万国博覧会
明治21年/バルセロナ万国博覧会
明治26年/シカゴ万国博覧会
【国内外での所蔵先】
大英博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス)
ボストン美術館(アメリカ合衆国)
東京国立博物館、東京国立近代美術館(東京)
京都近代美術館、赤坂迎賓館和風別館(京都)