2024.04.01
明治工芸作家紹介 II
薮明山 Yabumeizan (1853-1934)
大阪で画家の子として生まれた藪明山(本名 政七)は1880年に東京で半年のあいだ絵付の技術を学び、大阪に帰って絵付工房を開業しました。その頃の19世紀後半は、鹿児島の
沈壽官、京都の錦光山、神戸の精巧山などによって、各地で薩摩焼の制作が盛んに行われており、日本の国を上げた政策による万国博覧会への参加もあり、薩摩焼は「SATSUMA」という呼び名で既に注目を集めていました。そんな中、明山は素地の生産はおこなわず、下絵の銅版印刷の開発をはじめとする、様々な技術や意匠の研究に取り組み、作風に独自の妙技を取り入れることに成功しました。絵付けのみを追求した明山工房は、常に細密で高品質な作品を丁寧に制作し続けたことで、他の追随を許さず、薩摩焼の最高峰として数々の受賞歴とともに、現在でも世界中で高い評価を受け続けています。
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【博覧会における受賞歴】
1889年(明治22) パリ万国博覧会
1893年(明治26) シカゴ万国博覧会
1900年(明治33) パリ万国博覧会
1904年(明治37) セントルイス万国博覧会
1905年(明治38) ポートランド万国博覧会
1910年(明治43) ロンドン万国博覧会
1915年(大正4) パナマ太平洋万国博覧会
【国内外での所蔵先】
アッシュモレアン博物館(英国)
大英博物館(英国)
ヴィクトリア&アルバート
博物館(英国)
フィラデルフィア美術館(米国)
ウォルターズ美術館(米国)
サン・アントニオ美術館(米国)
パワーハウス美術館(豪)
大阪歴史博物館(日本)